#Episode
フル・アウトソーシング


中小企業経営を成功まで導く
税理士法人Bricks&UK
こうした志を抱くようになったのは、前職での経験がきっかけだった。慶應義塾大学卒業後、名古屋鉄道に入社し、グループ全体の戦略を考える部署に所属。ここでの実績が評価され、世界5大会計事務所のひとつだったアーサー・アンダーセンの日本法人にヘッドハンティングされる。その頃、旧友から実家が経営する小さな工務店の経営再建を請われ、日頃から大企業のコンサルティングに携わっていた梶浦氏は二つ返事で引き受けた。
「始めてから気付いたのは、中小企業はお金、人材、時間、リソース、信頼など、あらゆるものが足りないこと。そうした制約がある中で経営を再建することが、いかに大変であるかを痛感しました。何とか結果を出し始めた頃に、友人の父親から涙ながらに手を握られて、“本当にありがとう”と言われたことが忘れられませんでした」
中小企業の課題解決のために、ウェブ制作も自社内で行う

税理士法人Bricks&UKを含めて、4つの法人を経営。グループ全体で約1000人の従業員を抱えている。
「重要なのは、お客様の経営上の悩みをいかに解決できるか。最も多い悩みは売上の向上で、それに対して社内に専門のチームを用意しています。ディレクターやデザイナーが、ウェブサイトや販促ツールの制作、マーケティングやブランディングまで担当。広告会社とは違い、私たち会計事務所は最下流でお客様のすべての数字を把握・管理しています。そこが、会計事務所がプロモーション業務を行う強みになっているのだろうと自負しています」
そして、満を持してローンチしたのが、新開発した業務管理のクラウド型システムに従来のアウトソーシングを組み合わせた、“Bricks&UK フル・アウトソーシング”だ。例えば卸売業の場合、小売店からの注文受付、倉庫からの商品発送、請求書の発行、入金確認といった作業を個別のシステムや方法で行うことは珍しくない。しかし、この新システムなら、PCでアプリケーションを操作するだけで、一連の業務をスムーズに行える。データを転記する必要もなく、情報が集約されるため社内での進捗の共有も簡単になる。さらに、このシステムで行う業務も、アウトソーシングとしてBricks&UKに発注できる。
このシステムは、サイボウズの業務システムであるキントーンがベース。顧客のニーズにあわせて、オーダーメイドでつくられる。開発費用は500万円から、ランニングコストは月間10万円前後と、中小企業にとっても現実的な価格設定だ。
企業経営に必要なKPIを定め、すべてのデータを一括で管理

Bricks&UKのエントランスの様子
#Episodeフル・アウトソーシング
INTERVIEW

INTERVIEW
税理士法人Bricks&UK 代表社員 梶浦潮さん
2002年アーサーアンダーセンに入社し、大企業向けのERPシステムの導入、BPRプロジェク
トを手掛ける。アーサーアンダーセンで得た経営の方法論を中小企業に提供するため、2006年
税理士事務所Bricks&UKを開業。2022年現在、Bricks&UKは、東京・名古屋・沖縄・バンコクに拠点をもつ総合事務所として展開している。
https://bricksuk.biz/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。