#Episode
EOS Rシステム
光学の可能性を広げるシステム
キヤノン株式会社
光学設計の自由度が増し、さらなる高画質化が可能に。
「CMOSセンサー直前までレンズを配置できるので、光学設計の自由度が増し、高画質化が行いやすくなりました」と語る、キヤノン株式会社イメージコミュニケーション事業本部長の戸倉剛さん。また、キヤノン独自のAF技術「デュアルピクセルCMOS AF」等により、撮影時の明るさがEV−6という肉眼では視認しづらい状態でも、ピントが合わせられるようになった。「AFに対するレンズ側の制約も緩和され、これまでよりF値が大きいレンズでもAFが利くようになったのも大きな進歩です」
「コンパクト化が可能なミラーレスですが、闇雲に小さくはしません。コンセプトの“快適”にはホールド感や操作性も含まれます。特にグリップのデザインにはこだわりがあります」
また継承といえば、専用マウントアダプターを装着することでこれまでのEFレンズが使えるというのも特筆すべき点だろう。
「EFレンズユーザーがこれまでのEFレンズという資産を失うことがないようにしたかった。しかしながら、単にEFレンズが使えるというだけではおもしろくないし、より付加価値をつけるべきだと考えていましたので、アダプターにコントロールリングやドロップインフィルターが付いたバリエーションも用意して、従来のEFレンズ以上の使い方ができるようにしています」
キヤノンの次の30年を支えていく存在になる。
そしてデバイスや光学、生産技術などが進化し、理想を追求するための条件が整った時点で開発はスタートされた。新設計のシステムだけに、どう作りあげ、まとめるか。規格を詰めていく過程に多くの時間が費やされた。しかし開発に携わったスタッフのモチベーションは一貫して高かったと言う。
戸倉さんは、2020年をひとつのマイルストーンと位置づける。「今年からEOS Rシステムの本格的な普及が始まります」。その強力な武器となるのが、2月に開発が発表された「EOS R5」だ。新開発のフルサイズCMOSセンサーを搭載し、最高で秒速約20コマの連写性能、8K動画撮影の対応、ボディ内手ブレ補正機能を備えた同モデルは、オリンピックに臨むプロカメラマンのサブ機としての需要を見込み、開催前の投入を目指している。
「一眼レフの5Dクラスに相当するポテンシャルを持ち、性能的には凌駕している部分も多くあります。それゆえの“5”です」
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INTERVIEW
INTERVIEW
キヤノン株式会社 イメージコミュニケーション事業本部長 戸倉剛さん
1982年の入社以来、EOS-1系のプロフェッショナル一眼レフカメラから、EOS Kissデジタルなどの普及型一眼レフ、さらにはEOS Mシリーズまで、さまざまなカメラ開発に携わる。「EOS Rシステム」においてはイメージコミュニケーション事業本部長として陣頭指揮を執った。
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