#Episode
ストームクルーザー
進化を続けるレインウエア
株式会社モンベル
日本だからこそ生まれた高機能レインウエア
前述の機能を実現するうえで大きな役割を果たしたのは、1976年に誕生した防水透湿性素材、GORE-TEX®(ゴアテックス)ファブリクス。この素材をいち早く取り入れつつ、防水性を高めるために極力縫い目を排除し、それでいて動きやすさを考慮したパターンを採用して、初代ストームクルーザーは完成した。この初代モデルは、70デニール(糸の太さの単位で、9000メートル当たりのグラム数)の生地が用いられていた。
そこで何度もゴア本社を訪ね、日本の山岳環境などについて説明を重ね、ようやくGORE-TEX メンブレンを搭載した30デニールの生地を実現することができたという。これを採用し、さらに袖と身頃の間に継ぎ目のない、いわゆるキモノスリーブのパターンを用いて作られたのが、1986年に発売した、第2世代のストームクルーザーだ。
「ただ薄く軽くしただけでなく、強度も兼ね備えていました。細い繊維でも十分な強度を持たせられたのは、日本の高い繊維加工技術があったからこそなんですよ」
こうして大きく改良されたストームクルーザーは、以後モンベルの看板製品と言える存在になっていったのだ。
コンセプトを曲げず、9世代にわたって進化
「いずれもブランドのコンセプトを貫き、常により軽く、コンパクトにすることを追求しています」と語る、三枝さん。
「すべてはここから派生していったものですから。レインウエアは常にストームクルーザーを軸にアイデアを練り、開発しています」
街で着ても違和感のない洗練されたデザインは、通勤着として愛用している人も多い。雨の日はもちろん、どんな天候でも着ていられるオールウェザーウエアとなったストームクルーザーは、これからも進化を続けていくことだろう。
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INTERVIEW
INTERVIEW
株式会社モンベル 企画部 課長 三枝弘士さん
1969年神奈川県出身。92年株式会社モンベルに入社。同年企画部に配属。95年よりストームクルーザーなどレインウエアの開発に携わる。
https://www.montbell.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。