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ストームクルーザー

ストームクルーザー
ストームクルーザー
進化を続けるレインウエア

株式会社モンベル

1975年、登山家の辰野勇氏が、真崎文明氏、増尾幸子氏の2人の山仲間と共に設立した「株式会社モンベル」。数々のユニークなアウトドア用品を生み出してきた、日本を代表するブランドの代表作のひとつが、レインウエアの「ストームクルーザー」だ。
日本だからこそ生まれた高機能レインウエア
創立以来、“Function is Beauty(機能美)”、そして“Light & Fast(軽量と迅速)”をコンセプトに商品開発を行ってきた株式会社モンベル。これまでにさまざまな優れたアウトドアウエアやギアを世に送り出してきたが、1982年から販売しているレインウエアの「ストームクルーザー」は、'76年発売のスリーピングバッグ、'79年のムーンライトテントと並ぶ、同ブランドのコンセプトを体現する代表的アイテムだ。
最新のストームクルーザーのカラーバリエーション(一部) 全7色展開

最新のストームクルーザーのカラーバリエーション(一部) 全7色展開

「ストームクルーザーは現在のモダンなレインウエアの原型で、日本だからこそ生まれた製品です」と語る、株式会社モンベル企画部の三枝弘士さん。比較的乾燥している欧米では、登山の際に雨の心配をする必要は少ない。しかし湿度が高く雨の多い日本の山岳環境では、防水性に加え、透湿性、防風性を備え、しかも軽量コンパクトなウエアやギアが必要とされる。そこでモンベルはスリーピングバッグに続き、テントや日本初のフリースウエア、そしてレインウエアの開発に取りかかった。

前述の機能を実現するうえで大きな役割を果たしたのは、1976年に誕生した防水透湿性素材、GORE-TEX®(ゴアテックス)ファブリクス。この素材をいち早く取り入れつつ、防水性を高めるために極力縫い目を排除し、それでいて動きやすさを考慮したパターンを採用して、初代ストームクルーザーは完成した。この初代モデルは、70デニール(糸の太さの単位で、9000メートル当たりのグラム数)の生地が用いられていた。
「しかし辰野(現会長)や真崎(現顧問)は、日本の山で使うにはもっと薄い30デニールの生地が適していると考えました。そしてアメリカのゴア本社にそれを提案したのですが、初めのうちはなかなか受け入れてもらえなかったそうです」

そこで何度もゴア本社を訪ね、日本の山岳環境などについて説明を重ね、ようやくGORE-TEX メンブレンを搭載した30デニールの生地を実現することができたという。これを採用し、さらに袖と身頃の間に継ぎ目のない、いわゆるキモノスリーブのパターンを用いて作られたのが、1986年に発売した、第2世代のストームクルーザーだ。

「ただ薄く軽くしただけでなく、強度も兼ね備えていました。細い繊維でも十分な強度を持たせられたのは、日本の高い繊維加工技術があったからこそなんですよ」
こうして大きく改良されたストームクルーザーは、以後モンベルの看板製品と言える存在になっていったのだ。
コンセプトを曲げず、9世代にわたって進化
第2世代以降も、時代と共に新しい技術やアイデアを取り入れ、進化を重ねてきたストームクルーザー。2007年の第6世代ではGORE-TEX®マイクロバッカーテクノロジーの採用によって軽量化と強度アップを実現。また止水ファスナーを採用することでフロントのフラップがなくなり、より迅速な着脱が可能になった。
モンベル京橋店の内観

モンベル京橋店の内観

15年の第8世代では、ゴア社と意見交換しながら開発したGORE®C-ニット™バッカーテクノロジーを搭載し、より軽量でしなやかになった。そして19年から現在まで販売されている第9世代は、キモノスリーブを立体的にして動きやすさを追求した「K-MONO カット™(ケイモノカット)」を採用し、さらなる軽量化と動きやすさが実現されている。その他、ポケットやフード部分の構造など、改良点は数え切れないほど。

「いずれもブランドのコンセプトを貫き、常により軽く、コンパクトにすることを追求しています」と語る、三枝さん。
現在は用途に応じて7種、作業用のものも含めれば15種ものレインウエアをラインナップしているモンベル。そのなかでストームクルーザーは中心にある柱のような存在だと三枝さんは言う。
「すべてはここから派生していったものですから。レインウエアは常にストームクルーザーを軸にアイデアを練り、開発しています」
マーケティングに頼らず、自分たちがほしいものを作るというのがモンベルのポリシー。定期的に行われる企画会議では、部署にとらわれず、全社員が新製品のアイデアを出す。「ジャケットとパンツを別売にしたり、パンツのサイズを細かくラインナップしたのも、社員の声を反映した結果です。消耗具合に応じてジャケットとパンツの一方だけを買い替えることもできますし、上下別のレインウエアを組み合わせることもできます」

街で着ても違和感のない洗練されたデザインは、通勤着として愛用している人も多い。雨の日はもちろん、どんな天候でも着ていられるオールウェザーウエアとなったストームクルーザーは、これからも進化を続けていくことだろう。
#Episodeストームクルーザー
INTERVIEW
三枝弘士さん
INTERVIEW
株式会社モンベル 企画部 課長 三枝弘士さん
1969年神奈川県出身。92年株式会社モンベルに入社。同年企画部に配属。95年よりストームクルーザーなどレインウエアの開発に携わる。
https://www.montbell.jp/

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。


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