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イシャチョク

イシャチョク
イシャチョク
オンライン診療をもっと便利に

株式会社オンラインドクター.com

昨今のコロナ禍のもとでは、多くの人が感染リスクを恐れ、多少の身体の不調があっても病院の受診を控えるようになっている。いっぽう、都市部のクリニックなどを中心とする多くの医療機関が、そうした受診控えの結果、経営的に苦境に立たされているのが現状だ。

病院を受診したいのに通えない患者と、きちんと患者を診療したいのに来てもらえない医療機関――。そんな両者が抱えるジレンマを解消する手段として期待されるオンライン診療。その普及を加速させるため、現役医師が開発したサービスが、6月リリース予定のオンライン診療ポータルサイト+マッチングアプリの『イシャチョク』だ。
現役医師だから開発できた 患者ニーズに応えるポータル
同サービスを開発・運営するのは、株式会社オンラインドクター.com。CEOを務める鈴木幹啓氏は、日本で一番忙しい小児科医ともいわれ、「患者ニーズに寄り添うこと」をモットーに自らの医院を経営する。『イシャチョク』も、そんな鈴木氏の理念の延長線上にあるものだ。
イシャチョク

『イシャチョク』のサービスについて語る、株式会社オンラインドクター.com CEOの鈴木氏。

「MMD研究所の調査によると、オンライン診療の受診率は20代と30代で約40%と高く、以降の年代では大きく低下しています。とはいえ、全年代を通じて半数ほどの人は関心をもっており、とりわけ50代や60代でオンライン診療への関心度は高くなっている。関心はあっても近所でオンライン診療を行う医療機関を探せない人や、スマートフォンで診療を受けるという行為に高いハードルを感じる人は多くいらっしゃいます」

『イシャチョク』は、そうした人々にとっての“オンライン診療の入り口”となるプラットフォームだと鈴木氏は言う。

オンライン診療では、まず医療機関が各ベンダーの開発するシステムを導入し、患者側はそれに対応するアプリをスマートフォンなどにダウンロードして受診する。そうしたオンライン診療システムを提供する企業は、現在のところ約10社。病院によって使われるシステムはバラバラで、たとえばオンライン診療ができる近くの病院を探そうとすると、それぞれのアプリ内でしか検索できない。つまり、オンライン診療ができる病院をくまなく検索するには、従来は10社すべてのアプリをダウンロードするしかなかった。
「各システムが競合しているため、いわば縦割り行政のようになっていたのですが、『イシャチョク』は横断的に検索できるようにしたサービスです」と語る鈴木氏。

「アプリやWebブラウザで『イシャチョク オンライン病院』を開けば、まずオンライン医療圏内である徒歩30分以内のオンライン診療対応クリニック情報が表示され、それぞれの医療機関で使われる対応アプリのダウンロードや、予約までを行うことができます。さらにその後は、姉妹サービスの『イシャチョク オンライン薬局』で薬局選びや服薬指導、薬の配達 依頼までをオンラインで完結させることができるのです」
オンライン診療の普及で 患者も医院もハッピーに
スマートフォンの操作に慣れない人や、まだオンライン診療に抵抗がある人のために、ウェルネスメディアの『KARADAs』もスタート。スマートフォンで視聴できるヘルスケア関連のオンライン講座などを通じて、スマートフォンを使って対面で行うオンライン診療に慣れる場を設けるなど、心理的なハードルを下げる動線も用意する。
イシャチョク

イシャチョクは、病院と薬局のほか、保険もカバー。それぞれアプリ版とWeb版が用意される。

「他にも、オンライン診療で使われる各アプリのダウンロード方法や使用方法を解説する動画を用意するなど、誰もがオンライン診療を簡単に始められるような、ユーザーである患者さん目線に立ったコンテンツを用意したいと考えています」

また、コロナ禍の収益減で苦境に立つ医療機関側に対しては、鈴木氏自身がオンライン診療に関するウェビナーなどを開催。現役医師かつ経営者目線で、オンライン診療の活用法を積極的に伝える活動も展開する。

「対面診療よりもオンライン診療の診療点数が低いため、現状ではオンライン診療の導入に踏み切れないという医院も多くあります。しかし、目先の利益にとらわれて患者ニーズに応えずにいると、結局は既存の患者が流出してしまううえ、新規患者も獲得できません」
たとえば、コロナの影響もあり、1カ月に1度の割合で通院していた患者が2カ月に1度しか病院に来なくなる。そうすると病院の収益は半分になるが、『2カ月に1度はオンライン診療にしましょう』と提案できればある程度の収益は守れるし、患者の管理もできる。ほかにも、忙しくてなかなか病院にかかれない働き盛りの人や、幼い子ども連れで来院するのが大変な人なども、オンライン診療が普及すれば自宅から気軽に受診できるようになる。

「つまり、患者さんにとっても医療機関にとっても、オンライン診療はウィンウィンになる方法なのです」

人は便利なシステムに慣れてしまうと、なかなか元には戻れない。病院経営者の中には、オンライン診療が普及すると、患者が対面診療に戻ってこないのではないかと危惧する向きもある。そうした声に対しては、「できることが限られているオンライン診療は、そもそも対面診療とセットになるもの。たとえばオンライン診療を窓口的に使うような意識も、医院の側には必要になるのではないでしょうか」と鈴木氏は言う。
「患者さんのニーズがある限り、あと5年か10年もすればオンライン診療は当たり前になっているはず。そうした未来に淘汰されないために、現在オンライン診療の導入を躊躇している医院の背中を押すことも、私たちの役割だと思っています」
#Episodeイシャチョク
INTERVIEW
鈴木幹啓さん
INTERVIEW
株式会社オンラインドクター.com CEO 鈴木幹啓さん
医師としての生涯収入を最大限にするために、2010年5月、小児科開業医としては最年少クラスである34歳(前期研修2年間を含む臨床経験9年)で開業。 開院当時からインターネットを利用した広告、メディア露出による自己ブランディング・経営戦略をもって日本で一番忙しい小児科医と称されている。
https://オンラインドクター.com/

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。


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