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志教育プロジェクト

志教育プロジェクト
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「志」から始まる日本再生

成基コミュニティグループ

世界では、新型コロナウイルスや環境問題、各地の紛争貧困など、我々人類や文明社会への警告ともいえる事態が生じている。また昨今、人口減少や経済、社会保障など、さまざまな分野で課題が膨らみ、先行きが不透明な中で閉塞感が漂っている。とりわけ、日本の近代化や発展を支えた人的資源に目を向けると、近年は従来型の学力評価で優秀だとされた人たちが社会や企業で求められる人材とは必ずしもなり得ていないと、各方面から警鐘が鳴らされている。
 米国ギャラップ社が世界各国の企業を対象に実施した仕事への熱意に関する調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかなく、調査した139ヵ国中132位と最下位クラスであることが分かった。この事実は、我が国の人的資源の現状が由々しき事態であることを如実に表している。
 日本人の自己肯定感が低いことはさまざまな調査が裏付けており、15歳から64歳の引きこもりの数は今や114万人。これは広島市や仙台市の人口に匹敵する。また、いじめは年間61万件、不登校は24万人、15〜39歳の最大の死因が自殺であることなど、日本人のメンタルに関する社会問題は増え続けている。
「志共育(志教育)」で 日本の教育再生を
2013年、第2次安倍内閣において「21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を実行に移していくこと」を目的に設置された『教育再生実行会議』。この組織に民間教育機関から唯一有識者として選出されたのが、関西圏での学習塾経営を中心に、幼児から社会人までを対象にした総合教育機関・成基コミュニティグループ代表の佐々木喜一氏だ。
志教育プロジェクト

8年11カ月に渡り、総理官邸で49回の会議を行い、内閣総理大臣に日本の教育改革を提言した。

8年11カ月の間に12度に渡る総理への教育提言を重ねるなか、東京大学名誉教授の山内昌之委員が、「戦前の教育と戦後の教育でどこが大きく違うと思われますか?」と問い、「戦後、志ということが教育の中で教えられなくなったのが一番の大きな違いです」と話した。さらに、「夢は自分のため、志は世のため人のためである」と。この発言を機に、有識者委員17人中14人が、教育における『志』の重要性について言及をした。

佐々木氏は、「国が動かないなら民間で」「次代を担う日本人一人ひとりが高い志をもち、どんな困難にも打ち克ち、力強く人生を歩んで行ってほしい」との想いから、「民間による国家プロジェクト」と位置づけ、2014年に出口光氏とともに一般社団法人志教育プロジェクトを立ち上げた。特別顧問には安倍昭恵元総理夫人やサッカー元日本代表監督の岡田武史氏、下村博文元文科相など、錚々たるメンバーが名を連ねる。
志教育プロジェクトでは、志共育を青少年に広く普及させるために、「銀河鉄道999」など著名な作品を数多く生み出した漫画家の松本零士氏と、「ドラゴンボールZ」などさまざまな人気アニメの脚本を担当した小山高生氏の二大巨匠による、世界初のマンガを使ったアクティブラーニング教材『夢を叶える方法 − 志の法則 −』を出版。このマンガテキストを使って子どもたちに志共育の授業を実施したところ、さまざまな奇跡が起こった。

中学受験の見通しが危うい小学6年生を集めて4日間で行う「合格達成セミナー合宿」では、2017年・2018年の参加者計47人がのべ114校を受験し、全員合格を果たした。マンガテキストを5回以上読んだ生徒に至っては、83%が第一志望校に合格するという成果も上がっている。

生活保護や住民税非課税世帯・母子家庭率などが全国平均よりも高い京都府八幡市で、9年間取り組んでいる公設民営塾事業では、卒業生の進路調査をしたところ、大学・短大・専門学校などの高等教育に進学した生徒が91%。生活保護世帯での全国平均が39%であることを鑑みると驚異的な数字だ。

通信制高校の大学進学率は全国平均で17%であるのに対し、志共育を実施する通信制高校提携校「ゴールフリー高等学院」では大学進学率が61%、短大や専門学校を合われば90%にまで至り、全国トップクラスの成果を誇る。
志をもち世界中から尊敬される グローバル人財を育成する
社長職に就いて35年。佐々木氏は今年創立60周年を迎えたことを機に、第一線を退くことを決断した。国士として社会課題の解決に尽力するほど、自社の利益を第一に考えねばならない社長でいることにジレンマを感じての判断だ。
志教育プロジェクト

毎年1万人以上の生徒たちが立志にあたり活用している「志マンガテキスト」と「SDGsブック」

今後は、全国1800の自治体で100万人の青少年が志をもつことをビジョンに掲げる。現在は、志を立てたことを記した人の写真を集め、それらを世界的に有名な葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」のモザイクアートにして世界に発信するプロジェクトに注力する。世界記録を達成しようと3万5千枚を目標に始めたところ、4万7千枚近くの写真が集まり、見事ギネス世界記録に認定された。それをもって、2023年G7広島サミット、2024年パリ五輪、2025年大阪・関西万博で世界に発信し、「KOKOROZASHI」を世界共通語にすることを目指す。
1962年、父である亡き先代が成基の設立趣意書に記した「次代を創造する有為な国際人の育成」という創業の理念。当時は反発もしたが、気づけばそれが自身の天命そのものになっていた。
そうした佐々木氏の志は、「地球を救うために、世界中の人々から尊敬、信頼、愛される日本人(ヒト)創りに己の全てを捧げる!」ことだ。

教育業界のパイオニアとして広く知られる佐々木氏。今後も世界が待ち望む未来をつくる人財を育て続けるため、志共育の普及に命を懸ける。
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INTERVIEW
佐々木喜一さん
INTERVIEW
成基コミュニティグループ 代表 兼 CEO 佐々木喜一さん
1958年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。京都を中心に近畿2府3県で約150教場の学習塾を経営。生徒数1.2万人、従業員数2千人、卒業生約25万人。2022年で創業60周年を迎えた。2013年1月より、安倍内閣の諮問機関「教育再生実行会議」の有識者委員を8年以上務め、2021年12月より、超党派の国会議員140名と民間人90名による議員連盟「教育立国推進協議会」へ発起人兼民間有識者として参画。2023年からは一般社団法人志教育プロジェクトの共同代表として、志共育の普及にますます尽力する。
https://www.seiki.co.jp

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。


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