#Episode
溶射のオープンファクトリー


日本の溶射技術を
次世代に伝える新工場
次世代に伝える新工場
株式会社シンコーメタリコン
代表取締役である立石豊氏は、祖父が創設した同社に入社し、その後に先代の父から経営を引き継いだ。90年以上に渡り培われてきた確固たる技術を基盤に、「人と地域を大切にする経営」で注目を集める経営者だ。
職場環境をとことん整備し
人を大切にする経営を実現

現在の社員数は86名。立石氏の話しぶりからは、その一人ひとりへの愛情が伝わってくる。
「私が入社した当時は、業界自体が3K、4Kと言われていた時代。溶射自体は人々の生活を支える不可欠な技術であり、当時から当社の社風はアットホームで温かなものでしたが、社員の定着率は決して高くありませんでした。そこで当社でも働き方改革が必要と考え、早くから社員の働きがいを高めるためのさまざまな取り組みを推進してきたのです」。
そう話す立石氏が目指したのが、「社員の幸せと成長を追求する企業であり、『人を大切にする』大家族経営」だ。
さらに、社員の結婚記念日にはメッセージカードとギフト券を配偶者に、誕生日には社長と社員のツーショット写真を添えた手書きのメッセージカードを両親に送るなど、社員の家族にも寄り添い、まさに”大家族経営”を体現している。
こうした社員満足度を高める就業環境や福利厚生の充実を支えるのが、確かな技術力と経営戦略だ。溶射施工のあらゆるプロセスに対応できる設備を自社で擁する同社は、国内外3600社を超える幅広い業界の企業に技術とノウハウを提供。顧客の業界もその比重も、バラエティに富んでいるため不況に強い。また、時代に応じて出現する製品や技術に対して、新たな溶射加工方法の検討や新素材の開発などを自社で柔軟に行えるのも大きな強みだ。
一般にも開かれた新工場が
地域の新たなランドマークに

「魅せる工場」をテーマにした新工場について語る、代表取締役の立石氏。
多目的ホールと溶射ミュージアムは一般の人々にも解放し、同時に工場見学の受付もスタートするという。
新工場と新社屋を通じて立石氏が目指すのは、この場所を同社のある滋賀県湖南市の新たなランドマークとすること。市内の小学校で配布される副教材で会社概要や溶射の仕事が紹介されるなど、同社は長きに渡り地域の人たちに愛されてきた。
「今後も社員たちと共に成長し続けながら、この場所で溶射技術の素晴らしさを多くの人たちに伝えていきたい。会社の成長といっても、一人ひとりの社員の顔が見える範囲の規模を守りながら、しっかりと利益を出して社員に還元できる経営を続けていきたいですね」
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INTERVIEW

INTERVIEW
株式会社シンコーメタリコン 代表取締役 立石豊
1961年生まれ。京都府出身。大阪芸術大学映像計画学科卒業後、祖父が創業し、『溶射』の日本における先駆けとなった企業、シンコーメタリコンに入社。1994年、代表取締役就任。『人を大切にする経営』をモットーに社員の働き易い環境作りに注力し、『ホワイト企業大賞』等を受賞。
https://www.shinco-metalicon.co.jp
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。