#Episode
イオニオン
マイナスイオン業界の立役者
株式会社トラストレックス
マイナスイオンブームは、 測定器の開発から始まった。
「当社の製品は、人との出会いによって生まれたもの。私の所には、さまざまな方から『こんなものができませんか?』といった相談がきます。そして話し合っていくうちにアイデアが下りてきて、製品のイメージができあがっていきます」と語る西村氏。氏がマイナスイオン関連製品に関わることになったのは、マイナスイオン量の測定器をつくれないかという依頼を受けたことがきっかけだった。
当時のマイナスイオン測定器はガイガーカウンター(放射線量計測器)を活用したものが一般的で、空気中の大量のマイナスイオンを正確に計測できるものは少なかった。そこで西村氏は1999年にマイナスイオン測定器を開発。それを翌年の健康博覧会に出品すると大きな注目を浴びた。この測定器の登場によってイオン量を安心してアピールできるようになったことが、マイナスイオンのブームを生む契機となったのだ。
その博覧会の会場で他の展示を見学していた西村氏は、台湾のメーカーが出展していた水消毒用のコンパクトなオゾン発生モジュールに目が留まった。「オゾンとマイナスイオンは発生の仕組みが似ていて、空気に放電することでつくることができます。オゾン発生モジュールを見て、電極を改良すればイオン発生器になると思い、製造を依頼することにしました」
「そんなとき、台湾の展示会で別のメーカーの携帯型オゾン発生機を見かけました。アメリカで炭疽菌テロ事件が起きた後で、各メーカーが除菌製品に力を入れていたんですね。これも改良することでイオン発生器になるとひらめきました。こうして'02年に生まれたのが初代『イオニオン』です」
当時、イオニオンをはじめ続々と登場したマイナスイオン関連製品。しかし中にはブームに便乗し、根拠もなくマイナスイオン効果を標榜する製品も多かった。するとそれらに対してマスコミのバッシングが始まり、マイナスイオンの効果自体を疑う論調も高まっていった。
ブームを一過性のものにしないためには、発生量を計測する基準が必要と感じた西村氏は、マイナスイオン測定の標準化を目指して'02年にNPO法人日本機能性イオン協会を立ち上げ、'06年にはマイナスイオン測定のJIS制定化に漕ぎ着けた。バッシングによって一時は壊滅状態になったマイナスイオン関連商品が現在も生き残っているのは、こうした地道な努力あってのことだ。
発売以来、18年間マーケットから撤退することなく販売され続けてきたイオニオン。'05年にはよりコンパクト&スタイリッシュにデザインを一新しつつ、バッテリーを改良した「イオニオンEX」が登場。その後もイオン発生量などを改良しつつ、'14年の「イオニオンLX」を経て'16年の「イオニオンMX」に至る。'20年にはギフト需要をにらみ、性能を向上しつつ、よりデザインに高級感を持たせた「イオニオンPREMIUM」もラインナップに加わった。
世界中の人々を アレルギーから解放したい。
#Episodeイオニオン
INTERVIEW
INTERVIEW
株式会社トラストレックス 代表取締役 西村純一
1950年北海道生まれ。大学卒業後、空調機器会社などを経て29歳で起業。トライ&エラーを繰り返し、46歳で株式会社エコホリスティック設立。マイナスイオンブームの立役者となる。業務拡張に失敗し倒産するも、2009年に株式会社トラストレックス創業。
http://www.trustlex.co.jp
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